未解決問題、算術と数論, 解析学、1849年に提起
ディリクレの約数問題
未解決
d(n) を n の正の約数の個数とし、オイラー・マスケローニ定数 γ を用いて D(x)=∑n≤xd(n)=xlogx+(2γ−1)x+Δ(x) とおく。任意の ε>0 に対して x→∞ のとき Δ(x)=O(xθ+ε) が成り立つような指数 θ の下限を決定せよ。θ=41 と予想されている。
研究の最前線 2026年時点2026年時点で、ディリクレの約数問題は未解決であり、真の指数 θ は区間 [41,416131] に含まれる(変数変換 x=r2 のもとでガウスの円問題の指数範囲のちょうど半分に対応する)。査読済みの上界の最良記録は2003年のマーティン・ハクスリーによる θ≤416131≈0.31490 である(ブルガンとワットによるデカップリングを用いた 1648517≈0.31371 を目指すプレプリント研究もある)。平均的には、トン(1956年)やヒース=ブラウン(1992年)により ∫1TΔ(x)2dx∼cT3/2 が示されており、∣Δ(x)∣ の二乗平均平方根は x1/4 のオーダーである。またサウンダララジャン(2003年)は振動評価 Δ(x)=Ω(x1/4(logx)1/4(loglogx)43(24/3−1)(logloglogx)−5/8) を証明している。
既知の最良の結果
- 出版済みの上界:Δ(x)=O(x131/416(logx)26947/8320)、したがって θ≤416131≈0.31490(ハクスリー、2003年)。
- 二乗平均と極限分布:∫1TΔ(x)2dx∼cT3/2 が成り立ち、x−1/4Δ(x) は非ガウス型の連続極限分布をもつ(ヒース=ブラウン、1992年、1999年)。
- 振動下界:Δ(x)=Ω(x1/4(logx)1/4(loglogx)43(24/3−1)(logloglogx)−5/8)(サウンダララジャン、2003年)。
使われた手法と限界
| 手法 | 達成したこと | 限界 |
|---|
| ヴォロノイの和公式とペロンの周回積分 | Δ(x) を ζ(s)2xs/s の周回積分、あるいは打ち切りベッセル級数 π2x1/4∑n≤Nd(n)n−3/4cos(4πnx−4π)+O(x1/2+εN−1/2) として表す。 | リンデレーフ予想(ζ(21+it)=O(tε))を仮定しても、xit の位相相殺を利用しなければ、ペロン積分路を Re(s)=21 へ移すだけでは Δ(x)=O(x1/2+ε) しか得られない。 |
| 指数対とボンビエリ–イヴァニエッツ–ハクスリーの離散ハーディ–リトルウッド法 | 位相 nx をもつ二重指数和を評価し、θ≤416131 を確立した。 | 指数対予想 (k,l)=(ε,21+ε) が成り立てば θ=41 が従うが、既知の A 変換・B 変換やデカップリング評価は (ε,21+ε) には遠く及ばない。 |
未解決の問い
- すべての ε>0 に対して Δ(x)=O(x1/4+ε) は成り立つか。
- k≥3 のピルツの約数問題において、すべての ε>0 に対して Δk(x)=O(x(k−1)/(2k)+ε) は成り立つか。