未解決問題、組合せ論と離散数学, 代数学、1893年に提起
アダマール予想
未解決
すべての正の整数 に対し、位数 のアダマール行列が存在する。すなわち、成分が からなり、各行が互いに直交して を満たす 行列 が存在する。
2026年現在、一般のアダマール予想は未解決であり、すべての に対してアダマール行列が存在することの証明はなく、アダマール行列が存在する の倍数の集合が正の自然密度をもつことすら証明されていない。一方で、ペイリー行列、ウィリアムソンおよびゲータルス・ザイデルの巡回ブロック配列、トゥリン基底系列、そして2026年のAI援用ブロック探索を組み合わせることで、 以下のすべての の倍数について明示的なアダマール行列が構成されている。漸近的には、ド・ローネイとゴードン(2001年)が拡張リーマン予想のもとで、位数 のアダマール行列が存在する の個数が少なくとも であることを証明している。
既知の最良の結果
- および を素数べきとするとき、 の無限族に対してアダマール行列の存在が証明されている(シルヴェスター 1867年、ペイリー 1933年)。
- 以下のすべての の倍数について明示的なアダマール行列が構成されている(2005年のカラガニ・タイフェ=レザイエによる位数 や2026年の位数 を含む)。
使われた手法と限界
| 手法 | 達成したこと | 限界 |
|---|---|---|
| 上のペイリー平方剰余差集合 | 上のヤコブスタール行列の指標和の直交性を利用して、位数 ()および ()のアダマール行列を構成した。 | 素数べきは整数全体の中で漸近密度ゼロ しかもたないため、クロネッカー積を併用しても無限に多くの合成数位数 が残される。 |
| ゲータルス・ザイデル配列、-系列、巡回ブロック分解 | 位数 のアダマール行列の構成を、自己相関の和がゼロとなる()4つの 巡回 行列 の探索に帰着させ、 以下の個別の未解決位数を解決した。 | 各長さ ごとに個別の有限組合せ探索を必要とし、すべての整数 に対する統一的な代数的証明を与えない。 |
未解決の問い
- 位数 のアダマール行列が存在するような正の整数 の集合は、正の下漸近密度をもつか。
- すべての の倍数に対して、 を満たす歪アダマール行列 が存在するか。
参考文献
- Jacques Hadamard (1893). Résolution d'une question relative aux déterminants
- Raymond E. A. C. Paley (1933). On orthogonal matrices · DOI:10.1002/sapm1933121311
- Hadi Kharaghani, Behruz Tayfeh-Rezaie (2005). A Hadamard matrix of order 428 · DOI:10.1002/jcd.20043
- Epoch AI (2026). Hadamard Matrix of Order 668 — FrontierMath: Open Problems