定理証明済み
シューアの不等式($r=1$)
内容
非負実数 a,b,c について:a(a−b)(a−c)+b(b−a)(b−c)+c(c−a)(c−b)≥0、等号成立は a=b=c、または3つのうち2つが等しく残り1つが 0 のとき、かつそのときに限る。
なぜ正しいのか?
シューアの不等式は、AM–GMやコーシー・シュワルツに直接抵抗する対称な3変数の競技不等式、特に a+b+c、ab+bc+ca、abc を同時に含むものに対する標準的な決め手である。
証明の概略
ステップ1:対称性による簡約。 式 a(a−b)(a−c)+b(b−a)(b−c)+c(c−a)(c−b) は a,b,c について対称なので、一般性を失うことなく a≥b≥c≥0 と仮定する。
ステップ2:最初の2項をまとめる。 a(a−b)(a−c)+b(b−a)(b−c)=(a−b)[a(a−c)−b(b−c)] とまとめ、両項から共通因子 (a−b) をくくり出す(b(b−a)(b−c)=−(a−b)⋅b(b−c) に注意)。
ステップ3:括弧内を簡約する。 a(a−c)−b(b−c)=a2−ac−b2+bc=(a2−b2)−c(a−b)=(a−b)(a+b)−c(a−b)=(a−b)(a+b−c) と展開する。
ステップ4:結合する。 代入し戻すと、まとめた項は (a−b)⋅(a−b)(a+b−c)=(a−b)2(a+b−c) に等しい。したがって式全体は (a−b)2(a+b−c)+c(a−c)(b−c) に等しい(最後の項はまさに元の第3項そのまま)。
ステップ5:各部分の符号を確認する。 a≥b≥c≥0 なので:(a−b)2≥0 は常に成り立つ。a+b−c の符号については、a≥c なので a−c≥0、かつ b≥0 なので a+b−c=(a−c)+b≥0。よって (a−b)2(a+b−c)≥0。第2の部分については:c≥0、a−c≥0(a≥c なので)、b−c≥0(b≥c なので)であり、c(a−c)(b−c)≥0 は非負の3数の積である。
ステップ6:結論。 式全体は2つの非負項の和 (a−b)2(a+b−c)+c(a−c)(b−c)≥0 であり、r=1 のシューアの不等式が証明された。等号成立には両方が消える必要がある:a=b(第1項を 0 にする)かつ c(a−c)(b−c)=0(さらに a=c なら a=b=c を、c=0 なら a=b,c=0 を強制する)、これは述べた等号条件と一致する。
ステップごとの証明
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