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定理証明済み

環同型としてのCRTと$\varphi$の乗法性

内容

gcd⁡(m1,m2)=1\gcd(m_1,m_2)=1のとき、写像ψ(x mod m1m2)=(x mod m1, x mod m2)\psi(x \bmod m_1 m_2) = (x\bmod m_1,\ x\bmod m_2)は環同型Z/(m1m2)Z≅(Z/m1Z)×(Z/m2Z)\mathbb{Z}/(m_1 m_2)\mathbb{Z} \cong (\mathbb{Z}/m_1\mathbb{Z})\times(\mathbb{Z}/m_2\mathbb{Z})であり、ψ\psiを可逆元に制限することでφ(m1m2)=φ(m1) φ(m2)\varphi(m_1 m_2) = \varphi(m_1)\,\varphi(m_2)が証明される。

なぜ正しいのか?

これがCRTの構造的な意味である:m1m2m_1 m_2を法とする算術とは、文字通り2つの独立した合同算術(1つは法m1m_1、もう1つは法m2m_2)が並走していることそのものなのである。これこそオイラーのトーシェントφ\varphiが互いに素な数についてきれいに因数分解できる理由であり、またコンピュータが各小さな成分ごとに別々に計算することで巨大整数や暗号の計算を高速化できる理由でもある。

証明の概略

第一に、ψ\psiはwell-definedである:x≡x′(modm1m2)x\equiv x'\pmod{m_1 m_2}ならばm1m2∣(x−x′)m_1 m_2\mid(x-x')なので、m1m_1もm2m_2もx−x′x-x'を割り切り、x≡x′(modm1)x\equiv x'\pmod{m_1}かつx≡x′(modm2)x\equiv x'\pmod{m_2}となる。

第二に、法mim_iでの簡約が加法と乗法を保つので(最初の合同式のトピックで証明済み)、ψ\psiは各座標で加法と乗法を保ち、したがってψ\psiは環準同型である。

第三に、上の定理1はまさに、任意の組(a1,a2)(a_1,a_2)に対してそこへ写るxxが存在し(ψ\psiは全射)、そのxxが法m1m2m_1 m_2で一意である(ψ\psiは単射)ことを述べている。よってψ\psiは全単射であり、したがって環同型である。

最後に、直積環R1×R2R_1\times R_2において、元(u1,u2)(u_1,u_2)が乗法逆元(v1,v2)(v_1,v_2)を持つのは、R1R_1でu1v1=1u_1 v_1=1かつR2R_2でu2v2=1u_2 v_2=1となるとき、すなわち両方の座標が可逆であるとき、かつそのときに限る。環同型は可逆性を保つので、Z/(m1m2)Z\mathbb{Z}/(m_1 m_2)\mathbb{Z}の可逆元(φ(m1m2)\varphi(m_1 m_2)個ある)は、(Z/m1Z)×(Z/m2Z)(\mathbb{Z}/m_1\mathbb{Z})\times(\mathbb{Z}/m_2\mathbb{Z})における可逆元の組(φ(m1) φ(m2)\varphi(m_1)\,\varphi(m_2)個ある)と一対一に対応する。両辺を数えることでφ(m1m2)=φ(m1) φ(m2)\varphi(m_1 m_2)=\varphi(m_1)\,\varphi(m_2)が得られる。素数べきに対するφ(pr)=pr−pr−1\varphi(p^r)=p^r-p^{r-1}(互いに素でない数はppのpr−1p^{r-1}個の倍数だけ)と組み合わせれば、前のトピックで使ったφ(n)\varphi(n)の一般の積公式が直ちに導かれる。■\blacksquare

この定理を使うトピック

ステップごとの証明

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参考文献

  1. Jean-Jacques Quisquater, Christophe Couvreur (1982). Fast decipherment algorithm for RSA public-key cryptosystem · DOI:10.1049/el:19820617
  2. David Harvey, Joris van der Hoeven (2021). Integer multiplication in time O(n log n) · DOI:10.4007/annals.2021.193.2.4