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未解決問題、算術と数論, 解析学、1968年に提起

エリオット–ハルバースタム予想

未解決

任意の θ<1\theta < 1 と任意の A>0A > 0 に対し、算術級数の素数定理における誤差項 E(x;q)=max⁡gcd⁡(a,q)=1∣π(x;q,a)−π(x)φ(q)∣E(x; q) = \max_{\gcd(a,q)=1} \left| \pi(x; q, a) - \frac{\pi(x)}{\varphi(q)} \right| は、すべての x>2x > 2 について ∑1≤q≤xθE(x;q)≪θ,Ax(log⁡x)A\sum_{1 \le q \le x^{\theta}} E(x; q) \ll_{\theta, A} \frac{x}{(\log x)^A} を満たす。

研究の最前線 2026年時点

2026年時点で、各法 qq ごとにすべての互いに素な剰余類 a(modq)a \pmod{q} にわたる最大値をとる本来のエリオット–ハルバースタム予想は、いかなる θ>1/2\theta > 1/2 に対しても未解決であり、無条件の到達点は依然としてボンビエリ–ヴィノグラードフの定理(θ=1/2\theta = 1/2)にとどまっている。しかし剰余類 aa の最大値をとるのではなく固定(あるいは滑らかに重み付け)する場合には、分布レベルは 1/21/2 を大きく超えて進展している:ボンビエリ–フリードランダー–イヴァニエッツ(1986年)、チャン(2013年)、Polymath8a(2014年、滑らかな法に対して θ=1/2+7/300\theta = 1/2 + 7/300)に続き、メイナード(2020年)らの研究によって固定剰余類に対する指数は 3/53/5 を超える領域にまで押し上げられている。

既知の最良の結果

  • gcd⁡(a,q)=1\gcd(a,q)=1 にわたる完全な最大値に対しては、すべての θ<1/2\theta < 1/2 で無条件に成り立つ(ボンビエリ–ヴィノグラードフの定理、1965年)。
  • 固定された剰余類 a≠0a \ne 0 と qq 上の滑らかまたは分解可能な重みに対しては、分布レベルは無条件に 1/21/2 を超える(ボンビエリ–フリードランダー–イヴァニエッツ 1986年、チャン 2013年、Polymath8a 2014年、メイナード 2020年)。
  • エリオット–ハルバースタム予想を仮定すれば lim inf⁡n→∞(pn+1−pn)≤12\liminf_{n\to\infty} (p_{n+1}-p_n) \le 12(メイナード、2013年)、一般化エリオット–ハルバースタム予想を仮定すれば lim inf⁡n→∞(pn+1−pn)≤6\liminf_{n\to\infty} (p_{n+1}-p_n) \le 6(Polymath8b、2014年)となる。

使われた手法と限界

手法達成したこと限界
大篩法不等式とヴォーンの恒等式素数の指示関数を I 型および II 型の双線形和に分解し、原始ディリクレ指標にわたる平均を評価することでボンビエリ–ヴィノグラードフの定理(θ<1/2\theta < 1/2)を証明した。大篩法は異なる剰余類 aqa_q 間の相殺を利用せずに指標和の L2L^2 ノルムを評価するため、θ=1/2\theta = 1/2 において平方根の壁に突き当たる。
分散法とクローステルマン和の評価(ドリーニュ、デシュイエ–イヴァニエッツ)ポアソン和公式とヴェイユ/ドリーニュの代数幾何的評価や保型形式のスペクトル理論を適用し、aa が固定されている場合に分布レベルを θ=1/2\theta = 1/2 の先へと押し上げた。剰余類 aqa_q が qq ごとに任意に変動する場合、最大値 max⁡gcd⁡(a,q)=1\max_{\gcd(a,q)=1} をとることでポアソン和公式に必要な qq への滑らかな依存性が失われてしまう。

未解決の問い

  • 和の内部に max⁡gcd⁡(a,q)=1\max_{\gcd(a,q)=1} を含む本来のエリオット–ハルバースタムの評価が、無条件に成り立つような θ>1/2\theta > 1/2 は存在するか。
  • 固定された剰余類 a≠0a \ne 0 に対して、素数の分布レベルがすべての θ<1\theta < 1 に達することを無条件に証明できるか。

参考文献

  1. Enrico Bombieri (1965). On the large sieve and its applications · DOI:10.1112/S0025579300005313
  2. Peter D. T. A. Elliott, Heini Halberstam (1970). A conjecture in prime number theory
  3. Enrico Bombieri, John B. Friedlander, Henryk Iwaniec (1986). Primes in arithmetic progressions to large moduli · DOI:10.1007/BF02392590
  4. John B. Friedlander, Andrew Granville (1989). Limitations to the equi-distribution of primes I · DOI:10.2307/1971450