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未解決問題、算術と数論, 代数学、1966年に提起

シャヌエルの予想

未解決

複素数 z1,z2,…,zn∈Cz_1, z_2, \dots, z_n \in \mathbb{C} が Q\mathbb{Q} 上一次独立であるならば、体拡大 Q(z1,…,zn,ez1,…,ezn)\mathbb{Q}(z_1, \dots, z_n, e^{z_1}, \dots, e^{z_n}) の Q\mathbb{Q} 上の超越次数は少なくとも nn である。

研究の最前線 2026年時点

2026年現在、シャヌエルの予想はすべての n≥2n \ge 2 に対して未解決である。関数類似(アックスの定理、1971年)は完全に証明され、志村多様体や o-極小幾何学へと拡張されてアンドレ–オールト予想やジルベル–ピンク予想における飛躍的進展を支えているが、Q\mathbb{Q} 上の数論的予想ははるか手の届かないところにある。ez1,…,ezne^{z_1}, \dots, e^{z_n} が代数的数であるとき、ベイカーの定理(1966年)は z1,…,znz_1, \dots, z_n の Q‾\overline{\mathbb{Q}} 上の一次独立性(すなわち超越次数 ≥1\ge 1)を保証するが、シャヌエルの予想は z1,…,znz_1, \dots, z_n の代数的独立性(超越次数 nn)を要求しており、n=2n = 2 の乗法的帰結である四指数予想さえ未解決のままである。

既知の最良の結果

  • リンデマン–ワイエルシュトラスの定理(1882/1885年):z1,…,zn∈Q‾z_1, \dots, z_n \in \overline{\mathbb{Q}} が代数的数であるとき、シャヌエルの予想は常に成り立つ。
  • 六指数定理(ラング、ラマチャンドラ、1960年代):x1,x2x_1, x_2 および y1,y2,y3y_1, y_2, y_3 がそれぞれ Q\mathbb{Q} 上一次独立ならば、6つの数 exiyje^{x_i y_j} のうち少なくとも1つは超越数である。
  • アックスの定理(1971年):形式べき級数 y1,…,yn∈C[[t1,…,tm]]y_1, \dots, y_n \in \mathbb{C}[[t_1, \dots, t_m]] に対して、シャヌエルの予想の微分体類似が成り立つ。

使われた手法と限界

手法達成したこと限界
補助多項式・補間行列式・重複度評価(ベイカー–ワルドシュミット–フィリポン)ベイカーの定理、六指数定理、および指数値 exiyje^{x_i y_j} が生成する体の超越次数の下界(mnm+n\frac{mn}{m+n} のオーダー)を証明するジーゲルの補題における次数と高さのバランスからは nn ではなく mnm+n\frac{mn}{m+n} に比例する超越次数の評価しか得られず、四指数予想(m=n=2m = n = 2)にさえ届かない
微分代数と o-極小幾何学(アックス–シャヌエルの手法)微分 ∂(ey)=ey∂y\partial (e^y) = e^y \partial y が基礎体 C\mathbb{C} 上の微分作用素を与えるため、関数やべき級数に対してシャヌエルの不等式を完全に証明する有理数体 Q\mathbb{Q} 上には自明な微分作用素 ∂=0\partial = 0 しか存在しないため、微分代数的証明を複素数の値 zi∈Cz_i \in \mathbb{C} に特殊化することができない

未解決の問い

  • n=2n = 2 に対してシャヌエルの予想は成り立つか。特に、ln⁡2\ln 2 と ln⁡3\ln 3 は Q\mathbb{Q} 上代数的独立であるか。
  • 四指数予想は成り立つか。すなわち、x1,x2x_1, x_2 と y1,y2y_1, y_2 がそれぞれ Q\mathbb{Q} 上一次独立であるとき、4つの数 exiyje^{x_i y_j} のうち少なくとも1つは超越数であるか。

参考文献

  1. Serge Lang (1966). Introduction to Transcendental Numbers
  2. James Ax (1971). On Schanuel's conjectures · DOI:10.2307/1970774
  3. Michel Waldschmidt (2000). Diophantine Approximation on Linear Algebraic Groups · DOI:10.1007/978-3-662-11569-5