定理証明済み
ヒルベルト作用とビアンキ恒等式からのアインシュタイン方程式
内容
ローレンツ計量の変分 δgμν に関するアインシュタイン・ヒルベルト作用 S[g]=∫M(16πGc4(R−2Λ)+Lmatter)−gd4x の停留点は Rμν−21Rgμν+Λgμν=c48πGTμν を満たし、縮約ビアンキ恒等式 ∇μGμν=0 から ∇μTμν=0 が従う。
なぜ正しいのか?
オイラー・ラグランジュ方程式が作用の停留を粒子軌道の微分方程式に変えるのと同じように、時空上で積分したスカラー曲率を変分すると、作用の停留が計量そのものに対する偏微分方程式になる。−21Rgμν という項は体積因子 −g の変分からまさに生じるものであり、縮約ビアンキ恒等式を通じて曲率側の発散をゼロにするのにちょうど必要な項となっている——これが物質側のエネルギー・運動量保存と整合する。
証明の概略
ステップ1(重力部分の被積分関数の変分を分解する)。 R=gμνRμν と書く。積の微分法則より、δ((R−2Λ)−g)=Rμν−gδgμν+gμν(δRμν)−g+(R−2Λ)δ−g.
**ステップ2(δ−g に対するヤコビの公式とパラティーニ恒等式)。** ヤコビの恒等式 δ(detg)=(detg)gμνδgμν=−(detg)gμνδgμν を用いると、δ−g=−21−ggμνδgμν が得られる。一方、パラティーニ恒等式によりリッチ変分は共変発散 gμνδRμν=∇α(gμνδΓμνα−gανδΓμνμ) と表され、境界から離れた台を持つ変分 δgμν に対してはストークスの定理により M 上での積分がゼロになる。
**ステップ3(δS=0 をまとめる)。** ステップ1、2と定義 Tμν≡−−g2δgμνδSmatter を合わせると、δS=∫M[16πGc4(Rμν−21Rgμν+Λgμν)−21Tμν]δgμν−gd4x=0. δgμν は任意の対称テンソル変分なので、括弧内は各点でゼロでなければならず、Rμν−21Rgμν+Λgμν=c48πGTμν が得られる。
ステップ4(縮約ビアンキ恒等式と保存則)。 第2ビアンキ恒等式 ∇λRρσμν+∇ρRσλμν+∇σRλρμν=0 を gλμgρν で2回縮約すると、∇μRμν−21∇νR=0、すなわち Gμν=Rμν−21Rgμν に対する ∇μGμν=0 が得られる。∇μgμν=0(計量適合性)なので、Rμν−21Rgμν+Λgμν=c48πGTμν に ∇μ を作用させると ∇μTμν=0 が従う。
ステップごとの証明
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