つり合った上皿天秤を思い浮かべよう。片方の皿には未知の重さ x といくつかの既知の重りが、もう片方には既知の重りだけが載っている。片方の皿で何か(加える、取り除く、均等に分ける)をしたら、天秤が傾かないようにもう片方にも同じことをしなければならない。ax+b=0 を解くのはまさにこのゲームで、x だけが片方に残るまで両辺に同じ操作(加減乗除)を行う。最後に残った値こそが未知数の本当の重さである。
調整可能な根を持つ直線 y=cx+d のインタラクティブなグラフ
直線 y=x−2:傾き c と切片 d を動かすと、解——直線が y=0 と交わる点——が左右に動くのが見える。
中高標準形と2つの合法な操作
定義: 一元一次方程式
未知数 x の一元一次方程式とは、標準形 ax+b=0 に書き直せる方程式のことで、a、b は与えられた数(係数)であり a=0 を満たす。この条件 a=0 は不可欠である。これがなければ x は方程式から完全に消えてしまう。
a=0 ならば、方程式 ax+b=0 は b=0 に帰着する。b=0 が真であればすべての実数 x が解となり無数の解を持ち、b=0 であれば解は全く存在しない。
なぜ正しいのか?
これは「一次方程式」という呼び名が、実は x の係数が0でないことに依存していることを示す——その条件を外すと、「ただ1つの答え」という概念は、すべての答えか、答えが全くないかのどちらかに崩れてしまう。
証明
a=0 を ax+b=0 に直接代入すると、項 ax はすべての実数 x に対して 0⋅x=0 となる。どんな数に0を掛けても0だからである。したがって方程式は文字通り b=0 となり、これはもはや x に一切言及しない、b だけについての命題になる。
ここで固定された数 b について、可能性はちょうど2つしかない。b=0 ならば、残った命題「0=0」はどの x を代入しても真であり、したがってすべての実数 x が元の方程式を満たし、無数の解を持つ。逆に b=0 ならば、残った命題「b=0」は単に偽であり、どんな x の値もその誤った数値命題を真にすることはできないので、どんな x を試しても方程式は解を全く持たない。
大学実世界での応用と具体例
一次方程式は素早い定量的推論の主力である。ある量が固定された出発点から一定の割合で変化するとき、「いつ」「いくつ」を求める問題は、この形の方程式で x を分離することに帰着する。技術者は単位換算に、企業は損益分岐点の特定に、日常のアプリは料金計算にこの方法を使う。
例: 金融——損益分岐点
ある工房が x 個を生産する費用は 5x+2000 ドルであり、x 個をすべて売った収益は 13x ドルである。費用と収益がちょうど等しくなる(損益分岐点になる)には何個生産・販売すればよいか。
解答
ステップ1(費用と収益を等しく置く): 損益分岐点とは費用と収益が等しいことなので、5x+2000=13x と書ける。項をまとめれば x が一つだけ現れる一次方程式である。