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定理証明済み

パーセヴァルの等式

内容

f∈L2([−π,π])f \in L^2([-\pi, \pi]) を二乗可積分関数とし、n∈Zn \in \mathbb{Z} に対する複素フーリエ係数を cn=12π∫−ππf(x)e−inx dxc_n = \frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi} f(x) e^{-inx}\,dx とおく。このときフーリエ係数の絶対値の2乗和は収束し、ff の正規化された L2L^2 ノルムの2乗に等しい:∑n=−∞∞∣cn∣2=12π∫−ππ∣f(x)∣2 dx\sum_{n=-\infty}^{\infty} |c_n|^2 = \frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi} |f(x)|^2\,dx。より一般に、ヒルベルト空間 HH の任意の完全正規直交系 (en)n∈I(e_n)_{n \in I} と任意の x∈Hx \in H に対して ∥x∥2=∑n∈I∣⟨x,en⟩∣2\|x\|^2 = \sum_{n \in I} |\langle x, e_n \rangle|^2 が成り立つ。

なぜ正しいのか?

パーセヴァルの等式は無限次元の三平方の定理である。R3\mathbb{R}^3 のベクトルの長さの2乗が互いに直交する3つの軸への射影の2乗和に等しいのと同じように、信号や波の総『エネルギー』12π∫−ππ∣f(x)∣2 dx\frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi} |f(x)|^2\,dx は、各純粋周波数 einxe^{inx} に含まれるエネルギー ∣cn∣2|c_n|^2 の総和に等しい。調和振動 einxe^{inx} は互いに直交しているため、異なる周波数成分は総エネルギーにおいて干渉せず、関数を時間領域から周波数領域へ変換してもその L2L^2 幾何構造は完全に保たれる。

証明の概略

NN 次フーリエ部分和を SNf(x)=∑n=−NNcneinxS_N f(x) = \sum_{n=-N}^{N} c_n e^{inx} とおく。正規直交性 12π∫−ππeinxe−imx dx=δnm\frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi} e^{inx} e^{-imx}\,dx = \delta_{nm} を用いて非負の L2L^2 誤差を展開すると 12π∫−ππ∣f(x)−SNf(x)∣2 dx=12π∫−ππ∣f(x)∣2 dx−∑n=−NN∣cn∣2≥0\frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi} |f(x) - S_N f(x)|^2\,dx = \frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi} |f(x)|^2\,dx - \sum_{n=-N}^{N} |c_n|^2 \ge 0 となり、直ちにベッセルの不等式 ∑n=−∞∞∣cn∣2≤∥f∥22\sum_{n=-\infty}^{\infty} |c_n|^2 \le \|f\|_2^2 が得られる。三角多項式(フェイエールのチェザロ平均 σNf\sigma_N f による)は L2([−π,π])L^2([-\pi, \pi]) で稠密であり、SNfS_N f は次数 NN 以下の三角多項式の中で ff への L2L^2 距離を最小化する直交射影であるから、N→∞N \to \infty のとき誤差 ∥f−SNf∥22→0\|f - S_N f\|_2^2 \to 0 となり、ベッセルの不等式はパーセヴァルの等式になる。

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参考文献

  1. Elias M. Stein, Rami Shakarchi (2003). Fourier Analysis: An Introduction
  2. Yitzhak Katznelson (2004). An Introduction to Harmonic Analysis · DOI:10.1017/CBO9781139165372