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ステップ 7/7: 具体例:なぜ N 自身が素数である必要はないのか
ざっくり言うと

非常によくある誤解は、ユークリッドが「数 N=p1cdotspn+1N = p_1 \\cdots p_n + 1 は常に素数になる」と主張したと思い込むことだ。最初のいくつかのリストで試してみると、それが誤りである理由がすぐにわかる。最初の5個の素数までは N は素数になるが、6個目の素数まで掛けると N = 30031 は 59 × 509 に分解される——それでも 59 と 509 はどちらもリストの外にある新しい素数なのである!

2⋅3⋅5⋅7⋅11⋅13+1=30031=59×5092 \cdot 3 \cdot 5 \cdot 7 \cdot 11 \cdot 13 + 1 = 30031 = 59 \times 509
詳しい解説

最初のいくつかの素数でユークリッドの構成を実際に試してみよう。L={2}L = \{2\} のとき N=2+1=3N = 2 + 1 = 3(素数)、L={2,3}L = \{2, 3\} のとき N=2⋅3+1=7N = 2 \cdot 3 + 1 = 7(素数)、L={2,3,5}L = \{2, 3, 5\} のとき N=30+1=31N = 30 + 1 = 31(素数)、L={2,3,5,7}L = \{2, 3, 5, 7\} のとき N=210+1=211N = 210 + 1 = 211(素数)、そして L={2,3,5,7,11}L = \{2, 3, 5, 7, 11\} のとき N=2310+1=2311N = 2310 + 1 = 2311(素数)となる。この最初の5つの例を見ると、多くの読者は N=p1⋯pn+1N = p_1 \cdots p_n + 1 が常に素数になると錯覚してしまう。

ところが6番目の素数まで入れた L={2,3,5,7,11,13}L = \{2, 3, 5, 7, 11, 13\} では、N=2⋅3⋅5⋅7⋅11⋅13+1=30030+1=30031N = 2 \cdot 3 \cdot 5 \cdot 7 \cdot 11 \cdot 13 + 1 = 30030 + 1 = 30031 となり、これは 30031=59×50930031 = 59 \times 509 と分解される合成数である(ハーディとライトの古典的教科書『数論入門』§1.2などでも強調されている例である)。ユークリッドの第9巻命題20の証明がこれをいかに鮮やかに処理しているかに注目してほしい。ユークリッドは最初から明示的に「EFEF は素数であるか、そうでないかのいずれかである」と場合分けしており、N=30031N = 30031 が合成数であっても、その素因数である q=59q = 59 と q=509q = 509 はどちらも {2,3,5,7,11,13}\{2, 3, 5, 7, 11, 13\} の外にあるため、新しい素数が一つどころか二つも見つかるのである。

このステップの用語
ユークリッド数
最初の n 個の素数の積に 1 を加えた En=p1p2cdotspn+1E_n = p_1 p_2 \\cdots p_n + 1 の形の整数。ユークリッド数には素数であるもの(3, 7, 31, 211, 2311など)も合成数であるもの(30031 = 59 × 509など)もある。
このステップで使う知識
よくある間違い. 試験や証明の答案で「したがって N=p1p2⋯pn+1N = p_1 p_2 \cdots p_n + 1 は新しい素数である」とは決して書かないこと。例えば 2⋅3⋅5⋅7⋅11⋅13+1=30031=59×5092 \cdot 3 \cdot 5 \cdot 7 \cdot 11 \cdot 13 + 1 = 30031 = 59 \times 509 は合成数であり、また {3,5}\{3, 5\} のように連続しない素数のリストから始めると 3⋅5+1=16=243 \cdot 5 + 1 = 16 = 2^4 となって唯一の素因数は q=2q = 2 となる。必ず「NN はリストに含まれない 少なくとも一つの素因数 qq を持つ」と述べること。