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解法: テイラー・ワイルズ法によるワイルズのモジュラー性証明(1994年)

ステップ 3/11: なぜフライ曲線は奇妙なのか:半安定性と判別式の奇素数部分の 2p2p 乗
ざっくり言うと

フライ曲線の根は 0,ap,−bp0,a^p,-b^p である。根の差には apa^p、bpb^p、cpc^p が現れるので、三次多項式の根判別式は 2p2p 乗になる。一方、楕円曲線の判別式は ΔE=16(abc)2p\Delta_E=16(abc)^{2p} であり、奇素数部分が特別な 2p2p 乗の形を持つのであって、因子 1616 を無視してはいけない。

Δ(Ea,b,c)=16(ap−0)2(0−(−bp))2(ap−(−bp))2=16(abc)2p,N=rad⁡(abc)\Delta(E_{a,b,c}) = 16(a^p - 0)^2(0 - (-b^p))^2(a^p - (-b^p))^2 = 16(abc)^{2p}, \quad N = \operatorname{rad}(abc)
詳しい解説

y2=(x−r1)(x−r2)(x−r3)y^2=(x-r_1)(x-r_2)(x-r_3) に対し、根判別式は disc⁡=∏i<j(ri−rj)2\operatorname{disc}=\prod_{i<j}(r_i-r_j)^2 である。根 0,ap,−bp0,a^p,-b^p と ap+bp=cpa^p+b^p=c^p を代入すると disc⁡=(abc)2p\operatorname{disc}=(abc)^{2p} を得る。楕円曲線の判別式にはモデルに由来する因子が加わり、ΔE=16(abc)2p\Delta_E=16(abc)^{2p} となる。したがって奇素数部分は 2p2p 乗だが、表示した楕円曲線の判別式全体が文字通り 2p 乗というわけではない。q∤ΔEq\nmid\Delta_E なら q での還元は滑らかであり、フライ曲線の議論での導手は N=rad⁡(abc)N=\operatorname{rad}(abc) である。

このステップの用語
判別式 Δ\Delta
y2=(x−r1)(x−r2)(x−r3)y^2 = (x - r_1)(x - r_2)(x - r_3) に対する量 Δ=(r1−r2)2(r1−r3)2(r2−r3)2\Delta = (r_1 - r_2)^2(r_1 - r_3)^2(r_2 - r_3)^2。3つの根が相異なるとき、またそのときに限り非零となり、その素因数は曲線が退化する素数を与える。
半安定楕円曲線
すべての素数 qq において良還元(滑らか)または乗法的還元(2つの根だけが重なり、3つすべてが重なることはない)しか持たない Q\mathbb{Q} 上の楕円曲線。同値な言い方として、導体 NN が平方因子を持たない曲線である(Wiles 1995, p. 448)。
導体 NN
楕円曲線が悪還元を持つ素数とその退化の激しさを符号化する正の整数。半安定曲線の場合、NN は単に悪還元を持つすべての素数の積である。
このステップで使う知識