ホアン・トゥイ
現地表記: Hoàng Tụy
1927–2019, ベトナム、クアンナム省ディエンバン, ベトナム、ハノイ
応用数学と計算数学
決定論的大域的最適化の創始者とされるベトナムの数学者。線形制約下の凹関数最小化に関する1964年の論文で「トゥイのカット」を導入し、現代の非凸大域的最適化を切り開いた。
ホアン・トゥイはクアンナム省ディエンバンの名門の学者の家系に生まれた。第一次インドシナ戦争のさなかに高等数学の多くを独学し、1957年にモスクワへ留学、1959年にモスクワ国立大学で実解析と測度論の研究により博士号を取得した。その後、ベトナムにおける計画・輸送の実務上の問題に触発され、オペレーションズ・リサーチと最適化へと転じた。
1964年、『ソ連科学アカデミー紀要(Doklady)』に論文「線形制約下の凹計画法」を発表。凸最適化では局所最適解が大域最適解になるのに対し、多面体上で凹関数を最小化する問題では頂点に多数の局所最小解が現れる。トゥイは実行可能領域を体系的に切り落とす切除平面――今日「トゥイのカット」と呼ばれる手法――を導入し、この論文は決定論的大域的最適化の誕生を告げる古典として広く認められている。さらにDC計画法(凸関数の差の計画法)、単調最適化、分枝限定法を発展させ、ライナー・ホルストとの共著『大域的最適化――決定論的アプローチ』を著した。
レ・ヴァン・ティエムとともに近代ベトナム数学の制度的基盤を築き、ハノイ総合大学数学科長(1961〜1968年)、ベトナム数学研究所所長(1980〜1989年)を歴任。1996年に第1回ホー・チ・ミン賞、2011年には国際大域的最適化学会の第1回コンスタンティン・カラテオドリ賞を受賞した。
所属先: ハノイ総合大学, ベトナム数学研究所
ベトナム
