ポール・コーエン
1934–2007, アメリカ合衆国ニュージャージー州ロングブランチ, アメリカ合衆国カリフォルニア州パロアルト
1963年に強制法(フォーシング)を創始し、連続体仮説と選択公理がツェルメロ・フレンケル集合論から独立であることを証明して1966年にフィールズ賞を受賞したアメリカの数学者。
ポール・コーエンはブルックリンで育ち、16歳でスタイヴェサント高校を卒業、学士号を取らずにシカゴ大学の大学院に進んだ。1958年にアントニ・ジグムントの指導のもと三角級数の唯一性に関する論文で博士号を取得し、論理学に転じる前にはべき等測度に関するリトルウッド予想で調和解析の大きな突破口を開いた(1964年ボッヒャー記念賞)。1961年にスタンフォード大学に着任した。
コーエンは論理学者ではなく解析学者として訓練を受けたが、1962年末にヒルベルトの第1問題――カントールの連続体仮説――に挑んだ。クルト・ゲーデルは1940年、連続体仮説も選択公理もツェルメロ・フレンケル集合論(ZF)からは反証できないことを示していた。1963年4月、コーエンは「強制法(フォーシング)」を創始し、集合論の基底モデルにジェネリック集合を添加することで、ZFCは成り立つが連続体仮説が成り立たないモデル、およびZFは成り立つが選択公理が成り立たないモデルを構成した。ゲーデルの結果と合わせ、この二つの命題が標準的な公理系から独立であることが確立された。
コーエンは1966年に数理論理学の業績として唯一となるフィールズ賞を受賞し、1967年にはアメリカ国家科学賞を受けた。強制法は現代集合論の中心技法となり、彼は2004年に退官するまでスタンフォード大学教授を務めた。
所属先: プリンストン高等研究所, スタンフォード大学
アメリカ合衆国